4) ME-BYO JAPAN
本年のBIO JAPANの会場の一部を使って開催されたのがME-BYO JAPANである。
欧文で表記しているので、何のことかよくわからなかったが、ME-BYOは日本語では未病、これでも何のことかよくわからないが、要するに「ここまでは健康、ここからは病気と明確に区分できるわけではなく、健康と病気の間で連続的に変化しており、その状態を『未病』と呼ぶ」ということらしい。
神奈川県では、超高齢社会を乗り越えるため、産・学・官と連携し,この未病(ME-BYO)」 をコンセプトとした取り組みを進めている。具体的には、健康と病気の間で連続的に変化する状態である未病を基軸に、新たなヘルスケア・社会システムを実現する様々な先進技術の追求や未病のサイエンスの確立などを目指している。
「BioJapan2016」内スペースに「未病ゾーン」を設置し、 協賛企業様による最先端の未病製品・サービスを一堂に集めたのが「ME-BYO JAPAN」である。
最初は、BIO JAPANのつながりで見ていたが、より一層社会に開かれた展示になる可能性があることに気付いた。あらためて、未病といわれると何か新しいことのように思えるが、健康であることを維持するためのあらゆる活動がそこには含まれるはずだ。
今回の展示、発表は、神奈川県が進めているMR-BYOサミット協賛企業が中心であるが、スマホを使っての健康管理、介護ロボットなど先端技術の応用が目立った。
しかし、もっとも注目を集めたのは、富山県の展示であった。富山は江戸時代から、薬の生産、販売が大きな産業であった。各家庭にまで入り込んだ、富山の薬、家庭に常備薬を置くというシステムは、未病につながるものではないだろうか。新しい薬の開発はもちろん重要であるが、家族の健康を支えるシステムをどう作り上げていくかも大きなテーマである。
(八代 啓一)
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